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コラム

スナックとガールズバーの違いは?法律や料金システムの観点から解説

コラム「スナックとガールズバーの違いは?法律や料金システムの観点から解説」

スナックとガールズバーは、どちらも女性が接客する飲食店ですが、その接客スタイルや法律、料金システム、客層・お店の雰囲気にはいくつかの違いがあります。働く上で、どちらが自分に合っているかを選ぶ際に、これらの違いを理解することが重要です。

当記事では、スナックとガールズバーを法律や料金システムの観点から比較し、それぞれの特徴を詳しく解説します。この記事を読めば、スナックとガールズバーの選び方がより明確になるでしょう。

 

1.スナックとは?

スナックとは「スナックバー」の略称であり、女性キャストがカウンター越しに接客するバーを指します。ママと呼ばれる店主が1人で営業しているか、ママと数人のキャストが在籍しており、クラブやラウンジよりも小規模でアットホームな雰囲気が特徴です。カラオケがある店舗では、お客さんに歌ってもらったりキャストとのデュエットを楽しんでもらったりすることも少なくありません。

一般的には、スナックに指名制度はありませんが、一部の店舗では同伴やアフターが認められているケースもあります。

 

1-1.スナックの接客スタイルの特徴

スナックではカウンター越しの接客がメインですが、店舗によってはボックス席もあります。また、キャスト1人で数人のお客さんを同時に接客する機会が多いのもスナックの特徴です。営業許可の種類によってはお客さんの隣に座ってドリンクを作ったりすることもあるものの、キャバクラなどのように濃密なボディタッチはありません。

多くのスナックにはボーイがいないため、ドリンクの準備だけでなくフードの準備や灰皿の交換などもキャストの仕事です。

 

1-2.スナックの料金システムの特徴

スナックの基本的な料金システムとおおまかな相場は、次の通りです。

システム 料金相場
チャージ料金(席料) 1,000〜2,000円
セット料金(30〜60分) 2,000〜5,000円(キャストドリンク代は別料金)
ボトル代 3,000〜10,000円/1本
ドリンク代 1,000〜2,000円/1杯
カラオケ代 100〜300円/1曲
フード代 800〜2,000円
延長料金 1,000〜2,000円/30分

セット料金がない店舗では、席に着いた時点からチャージ料金がかかります。ボトルやドリンクを頼むたびに料金が発生するものの、滞在時間に制限はありません。セット料金制の場合はチャージ料やドリンク代がセット料金に含まれ、基本的に飲み放題となります。また、制限時間を超えて滞在する場合は延長料金が発生します。

 

1-3.スナックの客層・雰囲気の特徴

スナックは基本的にお客さん同士の距離が近く、アットホームな雰囲気が特徴です。立地によって差はあるものの地元密着型の店舗が多く、常連のお客さんも少なくありません。また、店舗独自のルールが設けられていることもあります。

スナックのお客さんの多くは30代以上の男性で、ガールズバーよりも年齢層は高めです。キャストの年齢層も20代後半から50〜60代と幅広く、大人の女性らしい上品さや落ち着きが求められる傾向にあります。

 

2.ガールズバーとは?

ガールズバー(ガルバ)は、バーテンダーや接客担当がほぼ女性のみのショットバーで、お客さんはお酒や軽食を楽しみながらキャストと交流します。店舗によってコンセプトが異なるもののスナックよりもカジュアルな雰囲気で、キャストの服装も制服から私服までさまざまです。

また、コンカフェのように特定のテーマを掲げてコスプレ衣装で接客する店舗もあります。なお、ガールズバーに同伴やアフターはありません。

 

2-1.ガールズバーの接客スタイルの特徴

基本的にカウンター越しの接客で、かつ女性キャストとお客さんがお酒を飲みつつ交流するという点において、ガールズバーとスナックは共通しています。また、ボディタッチがない点もスナックと似ています。

ガールズバーの大きな特徴は気取らずフレンドリーな接客スタイルですが、キャストがお客さんの隣に座って接客することは原則として認められません。また、ママが接客するスナックと異なりガールズバーの店主が接客する機会は多くありません。

 

2-2.ガールズバーの料金システムの特徴

ガールズバーの基本的な料金システムとおおまかな相場は、次の通りです。

セット料金
(30〜60分、飲み放題またはワンドリンク制)
3,000〜5,000円(キャストドリンク代は別料金)
ドリンク代 500〜1,000円/1杯
ゲーム・カラオケ代 100〜200円/1回
フード代 700〜3,000円
延長料金 セット料金と同額〜1.5倍
サービス料・税 総額の10〜20%

ガールズバーは基本的にセット料金制であり、席に着いた時点からセット料金がかかります。制限時間を超えて滞在する場合は延長料金がかかりますが、金額や時間設定は店舗によってまちまちです。また、一部の店舗では女性料金が設定されています。

 

2-3.ガールズバーの客層・雰囲気の特徴

ガールズバーはスナックよりも若年層向けの店舗が多く、フレッシュでカジュアルな雰囲気が特徴です。おもな客層は18歳〜30代、キャストの平均年齢も18歳〜20代中盤であり、キャストに対しては明るさや若々しさなどが求められる傾向にあります。

近年は、女性歓迎のガールズバーも少なくありません。女性のお客さんは、「身近な人に話せない愚痴に共感してほしい」「同性同士で盛り上がりたい」などさまざまなニーズを持っています。女性のお客さんを特別扱いする必要はないものの、他の男性のお客さんから離れた席に案内するなどの配慮をすると喜ばれやすいでしょう。

 

3.スナックとガールズバーは法律的な違いもある

原則として、スナックは風俗営業1号許可(以下、1号営業)か、深夜酒類提供飲食店(以下、深夜営業)のいずれかに該当し、ガールズバーは主に深夜営業に該当します。ここでは風営法に基づく1号営業と深夜営業の定義、ならびにそれぞれの店舗で提供できるサービスについて解説します。

出典:警視庁「風俗営業等業種一覧」

 

3-1.スナックは「風俗営業1号営業」が多い

1号営業と深夜営業のおもな違いは、次の通りです。

  風俗営業1号営業
(1号営業)
深夜酒類提供飲食店
(深夜営業)
深夜(午前0時〜6時)の営業 ×
店内の明るさ 5ルクス超 20ルクス超
1室あたりの広さ
(複数の部屋がある場合)
16.5平米(和室は9.5平米)以上 9.5平米以上
従業員による接待や遊興 ×

多くのスナックが該当する1号営業は、お客さんを接待しつつ遊興や飲食を楽しんでもらうキャバレーや料理店などです。なお、特定のお客さんやグループに対して次のようなサービスを行うと接待と見なされます。

  • 隣に座る
  • 付きっきりで会話する
  • お酌する、ドリンクを作る(サービス提供後すぐにその場を去る場合を除く)
  • カラオケのデュエット、または手拍子や合いの手を入れる
  • 特定のお客さんしか入れない個室でショーなどを見せる
  • ダンスやゲームなどを一緒に楽しむ
  • 身体を密着させる(社交儀礼上の握手や酔ったお客さんの介抱などを除く) 他

1号営業の店舗は、深夜0時(一部地域では深夜1時)を超えて営業できません。また、1号営業と深夜営業の許可を同時に取ることも認められません。

 

3-2.ガールズバーは「深夜酒類提供飲食店」

深夜営業は、午前0時〜6時に酒類を提供するバーや酒場などの飲食店です。ただし、ファミリーレストランなどのように主食と見なされる食事を常時提供する店舗は深夜営業に含まれません。

深夜営業のガールズバーやスナックでは午前0時以降も営業できる一方、接待は違法となります。一部の店舗にはダーツやカラオケなどがあるものの、キャストとお客さんが一緒に楽しむと接待と見なされかねません。また、たとえカウンター越しでもキャストが特定のお客さんやグループと長時間話し込むなどの行為は接待と見なされることがあります。

スナックとガールズバーのどちらが良いか迷う場合は、働きたい時間帯や店舗の雰囲気、希望する接客スタイルなどを考慮すると選びやすくなるでしょう。

 

まとめ

スナックとガールズバーには、接客スタイルや料金システム、さらに法律上の違いがあります。スナックはアットホームで落ち着いた雰囲気が特徴で、風俗営業1号許可を取得し、深夜の営業が制限される場合があります。

一方、ガールズバーはカジュアルで若年層向けの店舗が多く、深夜酒類提供飲食店として深夜営業が可能ですが、接待行為は禁止です。どちらを選ぶかは、働きたい時間や雰囲気、接客スタイルの好みによって決まるでしょう。

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