コラム
スナックとキャバの違いとは?スナックで働く上での注意点も解説
スナックとキャバクラは、どちらもお酒を提供しながら女性スタッフが接客する飲食業態として知られていますが、その働き方やお店の雰囲気には大きな違いがあります。
スナックは主に常連客とのアットホームな会話が中心で、カウンター越しに接客するのが一般的です。一方で、キャバクラは華やかな衣装に身を包んだ「キャバ嬢」が、お客様の隣に座って接客を行い、指名や同伴などのシステムで大きく稼げるチャンスもあります。
当記事では、スナックとキャバクラの違いを各種の観点から比較し、スナックで働く際の注意点も併せて解説します。
目次
1.スナックとキャバクラの違いは?
スナックは、カウンター越しに接客するお店の1つです。責任者は多くの場合、「ママ」と呼ばれる女性が務めています。カラオケが置かれているお店も多く、お客様が1人で歌うケースもあれば、お客様がスタッフを誘って一緒にデュエットするケースもあるでしょう。お客様は常連の人が多めで、お店の経営方針や雰囲気はママによって左右されます。個人経営のお店が多く、シフトなどに融通が利きやすい点も特徴です。
キャバクラは、「キャバ嬢」と呼ばれる女性が接客するお店です。きらびやかなネイルやメイクで仕事が行えます。一度に出勤する人数は30人程度であり、店内はスナックよりも多くのスタッフで賑わっています。
指名などの制度があるため、努力次第で稼ぎをアップさせやすいところが魅力です。お店には接待を行うキャバ嬢だけでなく、店長や支配人、ボーイといった黒服も在籍しています。カラオケは接待する部屋にはなく、VIPルームに設置されています。
スナックもキャバクラも、お客様がお酒や軽食を楽しみながら女性と会話する場である点に変わりありません。しかし、この2つは似て非なるものです。以下からは、スナックとキャバクラの違いを、さまざまな観点から解説します。
1-1.接客方法
スナックとキャバクラの接客方法の違いは、お客様の隣に座るかどうかにあります。スナックはカウンター越しで話したりお酒を提供したりするのが基本のスタイルで、お客様の隣に座ることはありません。一般的には飲食店営業として扱われますが、特定の接客行為が行われる場合は風俗営業に該当するケースもあります。一方、キャバクラは風俗営業に分類されており、お客様の隣に座って接客する業態です。
1-2.時給相場
一般的に、キャバクラよりもスナックのほうが時給は安いケースが多めです。スナックの時給相場は、1,500〜3,000円程度です。スナックの時給が安い理由は、お客様の支払う料金がキャバクラに比べてリーズナブルな点などにあります。
対してキャバクラの時給相場は、2,500〜3,500円程度です。キャバクラの場合、高級店であれば、スナックの倍以上稼げるケースもあるでしょう。指名・延長されたり同伴したりした場合、時給に加え、バックシステムによって追加で報酬がもらえます。短い期間で効率的にお金を貯めたい人に向いているでしょう。
1-3.店舗の形状
スナックは、基本的にカウンター越しの接客となるため、カウンター席のみ用意されているケースが一般的です。お店によってはボックス席が用意されている場合もあるものの、キャバクラのようにお客様の隣に座るのではなく、対面する位置に座って接客する形となります。キャバクラは、ボックス席とVIPルームが用意されています。
席の形だけでなく、広さも違いの1つです。キャバクラは60坪程度の広いお店であるケースがほとんどであり、スナックは20坪以下の小さなお店が多めです。
1-4.働ける年齢
お酒を取り扱うお店では、接客方法にかかわらず、風営法や労働基準法により18歳未満の勤務は禁じられています。キャバクラやスナックなど、酒類を提供する業態では、18歳以上でなければ勤務できません。また、18歳以上でも深夜22時以降の勤務は20歳以上に限られています。
スナックは、年齢層が高めのお客様が多く、スタッフもそれに合わせて年齢が高いケースが多いです。結果として、スナックで働く若いスタッフは少ないのが現状です。
1-5.システム
キャバクラには本指名や場内指名といったシステムがあることから、自分目当てで来店したお客様の対応を行う仕事がメインとなります。指名を取れれば取れるほど稼ぎやすくなるため、稼ぎたい人は、指名を取れるようさまざまな努力を行うのが鍵となります。具体的には、「プライベートな時間もお客様へ営業の連絡をする」「同伴やアフターなどを行う」といったものが挙げられるでしょう。
対して、スナックでは基本的に指名制度はありません。したがってスナックは、幅広いお客様にまんべんなく対応するのが主な仕事となります。指名を取るためにプライベートな時間を割く必要がない点から、ダブルワークの人などでも安心して働きやすいと言えるでしょう。
1-6.服装
キャバクラでは、お店のコンセプトにマッチした服を着るケースがほとんどです。きらびやかで華やかな雰囲気のお店が多いため、それに応じてドレスを着る場合が多いでしょう。
スナックは、キャバクラよりも規模が小さく、アットホームな雰囲気のお店が多い傾向にあります。そうした事情もあり、親しみやすいオフィスカジュアルなどの私服で接客するのが定番です。服装に関する厳しい決まりはないのが一般的であるものの、ジーンズなどの格好は避けたほうがよいでしょう。スナックによっては、ママの考えに応じて服装を指定されるケースもあります。服装だけでなく、容姿も重視される場合もあるでしょう。
2.スナックで働く上での注意点
スナックでお客様に楽しい時間を過ごしてもらいつつ、自分も気持ちよく働く上では、いくつか注意すべき点があります。以下からは、特に注意する必要のあるポイントについて解説します。スナックで働くことを検討中の人は、ぜひ参考にしてください。
2-1.基本は聞き手に徹する
スナックを利用するお客様のほとんどは、自分の話をするのを目的に来店しています。スタッフが話しすぎると、お客様は不満を感じやすくなります。お客様が気軽かつ快適に話せるよう、聞き手に回りましょう。
ただ聞いているだけでなく、相槌を打ったり笑顔で反応したりすると、よりポジティブな印象を持ってもらいやすくなり、リピーターになる可能性が高まります。お客様の話を否定したり遮ったりはせず、共感し寄り添うよう意識しましょう。
2-2.お酒の飲みすぎに気をつける
お酒を飲みすぎると、気分が悪くなって接客が続行できなくなったり、吐いたりする原因となります。そうなれば、自分が苦しいだけでなく、お客様にもママにも迷惑がかかります。その場にいる全員が最後まで楽しく過ごせるよう、飲みすぎには注意しましょう。
「自分はどのくらいお酒を飲めるのか」をあらかじめ把握しておくと、飲む量を適切な形にコントロールしやすくなります。「仕事中であること」を常に意識しながら飲むのも、重要な点の1つです。
2-3.丁寧な接客を心がける
お客様と接する際は、常に丁寧な態度を心がけましょう。スナックはカジュアルな場であり、お客様も優しい年配の人が多いため、初心者が少しミスをした程度であれば許してくれるケースも多くあります。しかし、そのような環境に甘えて、軽い口調やタメ口で話したり、失礼な態度を取ったりするのは厳禁です。こうした態度をよく思わないお客様は少なくありません。敬語や正しい言葉遣いを徹底し、お客様を思いやった接客を行いましょう。
まとめ
スナックとキャバクラは、お客様に楽しい時間を提供するという共通点がありつつ、接客方法やシステム、働く際のスタイルには大きな違いがあります。
スナックはアットホームで常連客が多く、幅広い年齢層のスタッフが働いており、比較的自由な働き方ができます。一方で、キャバクラは指名や同伴といったシステムを活用して、努力次第で高収入を目指せる業界です。
それぞれの違いを理解し、自分に合った働き方を選ぶことが大切です。スナックで働く際には、聞き手に徹し、丁寧な接客を心がけることが成功の鍵となるでしょう。